
キャリア紹介(Case 2)
Ikeda
2001年入社 |
外国語学部 東南アジア課程 ベトナム科
登山やバックカントリースキーなどが趣味のアウトドア派で、アクティブに過ごすことが多い。登山歴は20年ほどで、これまで登った百名山は60座以上。兼松ではハイキング部に所属し、部長を務める。その他、息子の少年野球の練習に付き合うなど、休日は基本的に外で過ごしている。
食品第一部 食品第2課
社長賞受賞プロジェクト
営業配属1年目の頃、当時の食品第2課では飲料メーカー向けのバルク果汁のみを取り扱っていたが、新規客先開拓として外食をターゲットに設定。海外ホテルの朝食に出てくる搾りたてのようなオレンジジュースを提案しようと、バレンシアオレンジの本場、スペイン産のストレートオレンジジュースを外食チェーンへ提案。味は非常に評価されたものの、現行品との価格差が大きく、なかなか採用には至らなかった。そこで、現地サプライヤーへ見込み数量を伝えた上での価格交渉はもちろん、国内での配送単位やルートまでを色々と熟考し検討した。また、当時の課長に厳しいながらも温かい指導をたくさんもらい、心が折れそうになりながらも、粘り強く提案を続けた。その結果、無事採用が決まり、それから10年近くも商品をご使用いただけたプロジェクトとなった。この成約で社長賞を受賞したが、何よりも1番嬉しかったのは、自分が担当した商品が人々に愛され、長く使ってもらえたことだったという。配属1年目でも任せてもらえたことで、担当としての自覚が芽生え、困難にぶつかっても諦めずに、熱意を持って取り組むことが大切だと実感した。
食品第1部 デザート原料課
誠心誠意な対応が信頼を築く
入社5年目、デザート原料課でフルーツ缶詰を担当。主な客先の1つがゼリーメーカーで、ゼリーは春先からデパ地下に並びはじめ、夏のお中元までが勝負の時期となる。本来、農産物であるフルーツは、その年の気候によって品質にばらつきが生じるため、サンプルを取り寄せて品質を確認する作業が必須。しかしこの頃は、担当業務に慣れてきたおごりがあったのか、今年の品質も問題ないだろうと、輸入するぶどうのサンプルチェックを行わずに船積みを指示してしまった。そして、実際にお客様の工場に実物が届くと、皮むきぶどうであるはずが、皮が一部残ったままのぶどうが混在し、「こんなもの使えない!」と納品を拒否された。フルーツは年に1回しか収穫できず、代替品を用意することが難しい状況。よく見ると、選別すれば使えるぶどうがあることに気付き、工場まで片道2時間かけて1週間ほど通い、朝から晩まで選別を行った。結果、周囲の大きな支えもあり、なんとか予定通り販売することができた。先方から、「あそこまでやってくれて、池田さんが担当で良かった」と言われ、ミスをした場合でも誠心誠意対応することや基本の作業を疎かにしないこと、自分の責任の重さなどを改めて学んだプロジェクトとなった。
食品第二部 フルーツ加工品課*2013年に第一子出産、2016年に第二子出産 それぞれ産休育休を取得
利益や成長、地域社会貢献
産休育休復帰後、食品第二部でタイにあるアロエ専門工場の担当になり、入社18年目ではじめて事業投資先会社の運営を経験する。経営と並行してトレーディングも行うため、自分たちの利益だけでなく、現地の工場の利益や要望も鑑みたバランス感覚が必要となる。お客様からは常に品質向上を求められるが、日本の小売りではなかなか値上げが受け入れてもらえない。その中でコストアップにつながる施策は打ち出しにくいというジレンマに陥った。また、原料となるアロエの生育状況や需給バランス、工場の稼働率、歩留まり、残業代を含む人件費を見つつ、輸入業務や国内販売を担当しており、品質の良い商品を作ることと、会社を運営して利益を上げることの両立の難しさを体感した。現地の工場とは価値観や考え方の違いなどで、自分の意見が通らないこともあった。しかし、双方が納得できるようにじっくりと話し合い、最終的にはお互いの意見をすり合わせることができ、人と人が織りなす仕事の醍醐味を実感した。また、現地の農家にとっても安定した生活をもたらすことができたり、工場を運営することでその国のこどもたちが学校に通えたりと、地域社会をも変えていることを感じ、この仕事を誇らしく思えた。

企画部 サステナビリティ推進室
常にチャレンジし、前進する
2020年からは、サステナビリティ推進室に異動。経営戦略に連動したサステナビリティに関する取り組みを全社的な見地から推進している。気候変動、人権、生物多様性、サプライチェーンマネジメントなど、取り組むべき課題はどんどん増え、深化し、ゴールはない。また、サステナビリティに関する適切な開示も役割の1つ。サステナビリティ開示の法規制も増えており、常に新しい情報をインプットし、対応を考える必要がある。サステナビリティを取り巻く課題に1つずつ取り組んでいくことで、その事業自体のレジリエンスや持続可能性を高めることに役立てるのが醍醐味。また、自分が在籍した食品部門以外の事業セグメントの担当者との接点が増えたことで、兼松の幅広い事業領域と社会への貢献について、入社20年を超えて再認識するようになった。サステナビリティと利益は相反するものという声もあるが、今後サステナビリティを前提としたビジネスが当たり前になっていく。兼松が135年続いてきたのは、常に新しいことや、求められていることに応えてきたからに他ならない。サステナビリティを推進し、会社の成長を支えていくのが、この業務の使命であり、やりがいでもある。
*兼松のサステナビリティについてはこちら今後兼松でチャレンジしたいこと
企業価値を向上していく
創業主意「わが国の福利を増進する分子を播種栽培す」からも分かるように、兼松では地球や社会、人々への貢献が活動原点となっている。当然、サステナビリティとの親和性が非常に高い。サステナブル経営をさらに進化させるためのサポートや新たな課題を見つけ出し、取り組むことで、企業価値を向上させるとともに、この先50年、100年と続く企業にしたいと考えている。例えば、サステナビリティ開示について、以前までは真面目な社風からか、完璧な状態でないと開示してはいけないのではという考え方もあった。しかし最近では、途中でも取り組んでいることは積極的に開示していったり、社内でコミュニケーションを取って、社員自身も気付いていないサステナブルな取り組みを発掘したりと、日々新しいことに挑戦している。サプライチェーンが複雑化する今、そしてこれからこそ、それをつなぐ商社・兼松のプレゼンスがますます高まる。トレーディングに軸足を置くことで、最前線のリアルな情報がサプライヤーサイドからも、ユーザー・お客様サイドからも入ってくる。その強みを発揮し、新しいビジネスを構築する(一粒の種を蒔く)のが、兼松らしさであり、当社が注力すべきことだと考えている。
